内視鏡検査は体の内部を直接観察できる大変有用な検査法ですが、抵抗感や苦痛を伴うケースも少なくありません。本記事では、検査前から後まで気を抜いてリラックスするコツを詳しく解説します。内視鏡検査をできる限りスムーズに受けられるよう、ご参考にしてください。
前日からの食事制限が必要な理由
内視鏡検査を受けるにあたっては、前日夜から食事制限が始まります。空腹でないと消化管内の内容物が邪魔をして、内視鏡での観察が困難になるためです。制限解除まで我慢するのは大変ですが、明確な検査結果を得るうえで欠かせません。制限の内容は主に固形物の摂取禁止ですが、検査対象や病院によって異なります。基本は水分補給をこまめに行い、医師や看護師の指示に必ず従うことが大切です。空腹感でイライラすることもあるでしょうが、検査成功のために我慢しましょう。
挿入時の姿勢と呼吸法がポイント
内視鏡検査では細長い管を体内に挿入していきます。リラックスしていることが大前提ですが、挿入時の姿勢と呼吸法も検査をスムーズにすすめるコツと言えます。まず姿勢は左横あるいはうつ伏せが基本です。医師が行う側と反対側を下にして、自然と体が開く形をつくります。次にゆっくりとした深呼吸を心掛け、腹部の力を抜くこと。息を止めたりムセることなく気持ちを落ち着かせる感じで行うと上手くいきます。 医師ともコミュニーケーション取りながら、できる限りリラックスした状態を保つことをオススメします。
検査後の安静が回復のカギ
検査終了後は管の抜去となりますが、検査中に体内で道具が動いた影響が出やすいタイミングです。気分のむらみや立ちくらみが起きる可能性があるので、医療スタッフのサポートのもと、しばらく寝たきりが続くことも。回復速度には個人差がありますが、多くの場合、半日から1日程度の安静・絶飲食が必要です。ベッドの上ではなくてはいけないと拘る必要はなく、体調に合わせてゆっくり過ごしましょう。翌日以降の社会生活や仕事へスムーズに移行できることが大切です。
まれに起こりうる合併症への対処
内視鏡検査では稀にですが合併症を招くことがあります。代表的なのが出血と体内組織の損傷(穿孔)です。局所的な痛みや大量の出血があれば要注意です。出血が止まらない場合は直ちに応急処置が必要ですし、穿孔では腹膜炎へとつながる危険性もあります。いずれにしろ、異常を感じたら迷わず医療機関の指示に従うことが大切です。スピーディな対応で合併症の影響は最小限に食い止められる場合が多いです。