内視鏡検査当日にスムーズな管の挿入を可能にするコツのひとつが「前もって体調を整える」ことです。食事制限や下剤の使用によって空腹感と腸内環境をコントロールし、操作しやすい状態を作り出します。
完全絶食が求められる理由と乗り切り方
内視鏡検査では絶食が不可欠な要件とされています。これは体内に固形物があると管の挿入経路を妨害しやすいためです。したがって検査前日の夕食終了後から水分も含め完全に飲食を断つことになります。長時間の絶食は辛いものでしょうが、空腹感に負けず必ず我慢しましょう。完全絶食を保つことで検査時の視野と操作性が格段に上がるため、大前提として押さえておくべきポイントといえます。水分摂取は制限なく認められている場合が多いので、のどの渇きを癒やす意味でこまめに水を飲むのがコツです。
下剤使用時の注意点 〜嘔気対策を徹底〜
内視鏡検査前には下剤を使用して腸内をきれいに洗浄することが奨励されます。体内に残便が残っていると検査時の視野や操作性が阻害される可能性があるためです。しかし下剤使用時には嘔気・嘔吐するリスクが高くなります。その対策として有効なのが、冷たい水やスポーツドリンクで薬を飲み込むこと。極力冷たい液体と合わせて下剤を服用することで、嘔気は抑制されやすくなります。氷を噛みしめるのも併用するとより効果が期待できるでしょう。